Top News-Back Number-2005.06.06
海水が「おいしい真水」に!/待望の淡水化施設(国内で最大級)が稼動


▲内覧会に参加して海水を淡水化するプラントを視察する大石(右)、中原両議員
福岡都市圏の水不足解消へ
福岡地区水道企業団が建設/公明が提唱、後押し

 海水を「おいしい真水」に変える国内最大の海水淡水化施設が福岡市に完成、1日から送水を始めた。福岡都市圏の水不足解消が狙い。福岡地区水道企業団(福岡市など17市町と1企業団)が建設したもので、25万人分に相当する1日最大5万トンの飲料水を生産、供給する。

 ただし、福岡県西方沖地震の影響から当面は約3万トンの送水となる。海水淡水化事業の導入は、92年以来、国、県、同都市圏の公明党が連携して提唱してきた。5月31日の内覧会には、同水道企業団議会議員の大石司、中原貢の両福岡市議が出席し、施設を視察した。

 「天候に左右されない水を安定供給できるようになりました」。内覧会で同企業団の一丸孝憲企業長は、海水淡水化プラント完成の喜びを語った。

 同プラント「海の中道奈多海水淡水化センター」は、玄界灘と博多湾を遮るように細く伸びた半島・海の中道(福岡市東区)に誕生した。鉄骨2階建て、延べ床面積約2万1000平方メートル。1階に海水淡水化の設備、2階には中央監視制御室などが配置されている。

 海水淡水化は、玄海灘の海底に埋めたパイプから浸透水を集め、真水と塩水の濃度の違いを利用した「逆浸透法」で塩分を除去する方法。水は通すが塩分は通さない特殊な半透膜を使い塩水と真水を仕切ると、通常は塩水の塩分濃度を薄めようとして真水が膜を通して塩分の方に移動する。その圧力(浸透圧)以上の高圧を塩水側にかけることで、塩水中の水を真水側に押し出す原理(逆浸透)を活用した。

 同センターでは、効率のいい高圧ポンプと高圧に耐えられる逆浸透膜を採用することで、淡水化率が大幅に向上。従来の4割から6割にアップし、1日5万トン(約25万人分)の真水の生産が可能となり、同都市圏で使用する水道水の約1割を供給できるようになった。残った濃縮海水は、下水処理センターの処理水と混ぜ、海水とほぼ同じ塩分濃度にして玄界灘と反対の博多湾に放流する。

 同都市圏には1級河川がなく、絶えず水不足に悩まされてきた。1978年に287日間、94年には295日間にも及ぶ給水制限を経験。“水なし生活”の苦しみを嫌というほど味わってきた。

 公明党福岡県本部は92年2月、慢性的な水不足の解消を目指し、他党に先駆け「福岡都市圏水対策本部」を設置。故・横尾和伸氏(当時、参院議員)が中心となり、海水淡水化事業の導入をいち早く提唱した。93年7月には、同対策本部の提案により、関係自治体の首長が一堂に会す「福岡都市圏水会議」が実現。天候に左右されない水源確保を目的とする海水淡水化整備事業は、99年3月に旧厚生省の認可を得て、同年から着手された。

 この日、内覧会に参加した大石、中原両議員は、職員の案内で施設を視察する一方、淡水化でできた真水を試飲。「水道水よりまろやかで、飲みやすい」と感想を語っていた。


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